子どもがやる気、意欲をもってスポーツに取り組んでいる姿は親として、コーチとして非常にうれしいものです。自ら積極的に練習や課題に取り組む姿勢は上達への欠かせない要素の一つと言えるでしょう。しかし私たちもそうですが、子どもも毎日やる気十分なわけではありません。
時には「練習に行きたくない」「学校に行きたくない」となってしまうこともしばしばあるのではないでしょうか。「やる気がないのか?」と思ってしまうかもしれませんが、決してそうではないのです。やる気があって、意欲があっても何かちょっとしたきっかけで「行きたくない」または「行けない」状況になってしまうのが人間です。そんな時にどう声を掛けたら良いのか?参考となるフレーズを用意しましたので、声掛けのひとつとして活用してみてください。
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具体的な声掛け その1
- 「今日は何か調子が悪いの?」: 子どもが調子が悪い、または体調が悪い可能性があるため、その様子を尋ねます。この声掛けで親は子どもの体調や気分を理解し、適切な対応ができます。子どもからすぐに回答がなくても焦ってはいけません。親から一声かけてあげることで、窓口は開いていることをわかってもらうことが大切です。
- 「練習が辛いなら、一緒に考えてみよう」: スポーツ練習の辛さや困難さを共有し、解決策を一緒に考えることで、子どもの問題解決能力や自主性を育てます。苦手な練習ばかりにフォーカスするよりも、得意な練習、楽しい練習などにフォーカスした声掛けも大切です。
- 「スポーツをすることで得られるものは何だと思う?」: 子どもにスポーツの長期的なメリットを再考させるための問いです。これにより、子どもは自身が目指す目標や価値を再確認する機会を持つことができます。
- 「今日はちょっと休んでみてもいいよ」: 全ての活動において、適度な休息は必要です。子どもが休息を必要としている場合、それを認めることで、子どもの自己管理能力と健康意識を育てます。
- 「練習に行きたくない理由を教えてくれる?」: 子どもの感情や思考を理解し、それに対応するための重要なステップです。これにより、親は子どもの問題や困難を共有し、それを解決するための援助を提供することができます
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具体的な声掛け その2
- 「一緒に練習してみる?」: 親自身が子どもの活動に参加することで、子どもはその支援や共感を感じることができます。これは子どものモチベーションを向上させ、親子の関係を深めるのに有効です。
- 「スポーツ以外に何かやりたいことはある?」: 子どもが別の興味を持っている可能性を探り、その興味を支持することで、子どもの自主性や多様性を育てます。私たち日本人は続けることに美しさを感じがち、価値を感じてしまいがちですが、長い人生を見れば他になにかやりたいことが見つかったほうが良いこともあります。他の種目に変更する、チームを変える、スポーツ以外の興味を持てるものを見つけるなど、幅広く子どもの興味関心を育てましょう。
- 「スポーツが苦手なら、それはそれでいいんだよ」: 子どもの自己肯定感を維持するための声掛けです。すべての子どもがスポーツを好きである必要はなく、他の領域で優れた能力を持つ可能性があります。
- 「ちょっとした達成感を感じるために、短い練習から始めてみるのはどう?」: 小さな成功体験を通じて自信をつけ、長期的なモチベーションを向上させるための提案です。将来のためになるから、と言ってもなかなか続かないものです。時にご褒美は素敵な動機付け、モチベーションになります。
- 「友達と一緒に練習に行くのはどう?」: 子どもが友達と一緒にいることで、練習に対する抵抗感を減らし、楽しさを感じる可能性があります。これは社会性の育成と同時に、子どものモチベーションを向上させるのに役立ちます。ただし、行きたくない理由が友達にある場合もあります。十分にコミュニケーションをとりながら、提案してみましょう。
最後に
スポーツを続けるばかりが選択肢ではありません。やめることもひとつの選択肢です。一方で続けることで見つかる価値観もあります。このバランスは非常に難しい部分であり、ケースバイケースと言えるでしょう。ただ、子どもの心が、精神が壊れてしまうようなスポーツ環境は非常に危険です。子どもの様子を観察し、親が「やめてもいいんだよ」という助け舟を出してあげることも忘れないでください。頑張る我が子を応援するとともに、いつでもレスキュー出来る体制をつくりましょう。そのためには日ごろからのコミュニケーションを忘れないようにしてください。
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